日本語はまさにオブジェクト指向である
テーブルの上の塩をとって欲しい場合、たいていの日本人は、「すいません、塩を...」まで言ったところで一呼吸置く。「塩」というオブジェクトを指定した時点で、「とって欲しい」ことは自明であり、ここまで言えば、99.9%の日本人は塩をとってくれる。「え、この塩で何をしろって言うんですか?」と聞き返す人はよほどの変人である。エレベーターに乗って、階ボタンの近くにいる人に、「すいません、12階を...」まで言えば十分なのも同じである。つまり、日本人が「塩を...」とか「12階を...」とかで一呼吸置いて相手に類推を促すのは、ウィンドウズにおけるダブル・クリックと同じことをしているのである。
なるほどなぁ。でも、日本語独特の「遠い言い回し」は「contextの抽象化」、と考えると、英文は結論を先に言う=具象化ですかね。
それはそうと、
言語学者の金田一春彦氏によると、目上の人に塩をとって欲しい場合の、最も丁寧な言い方は、「すみません、それはお塩でしょうか?」だそうである(『日本語を反省して見ませんか』角川書店)。
これが一番びっくりしました :-)